見えるを世界へ 対談(海外事業部 上司×部下) 上司×部下 03「見える」を世界へ。

2011年から本格的にグローバル展開を始めたシード。その最前線に立ち、新たなビジネスフィールドを広げ続ける海外事業部とは、日々どのような仕事に取り組んでいるのでしょうか。今回は海外事業部を牽引する部長と主任に業務内容や今後のビジネス戦略、海外事業部が求める人材などについて、対談形式でお伺いしました。

SEED'S POWER 03 海外という新たなフィールドに、Made in Nipponを売り込む

———本日は宜しくお願い致します。今回の対談では、“「見える」を世界へ”というキーワードをもとに、海外事業部の業務内容や日々のおふたりの仕事についてお伺いしたいのですが、まず、海外事業部とはどういった部署なのでしょうか?

野島簡単に言うと海外に向けた営業活動を行う部署です。シードの海外展開は2011年に始まったばかりですので、海外事業部も新しいです。現在は、部長の私を含めて本社所属部員が9名。うち4名が日本人で、あとは中国、台湾、韓国からのスタッフと、今ここにいるシンガポール出身のバレリーさんで構成されています。バレリーさんは、本社に来る前はシンガポールの現地法人にいました。

バレリーそうです。シードに入社する前は日本で英語の講師をしていて、その後母国に帰り、シンガポールのシード現地法人に入社しました。再度日本に来たのは2013年。それ以来、今の部署で働いています。

野島シードの海外戦略は、中国プラスASEANをメインにスタートし、2015年からヨーロッパ圏への展開も始めました。そのヨーロッパ展開の中心になっているのがバレリーさんです。また、フィリピンも担当しています。

バレリーはい。ヨーロッパ全域とフィリピンが担当エリアですね。主に、医療メーカーや代理店への新規取扱いの提案、各種交渉や契約締結、販売サポートを行っています。あとは、まだ日本に入ってきていない新しい技術や製品をシードが販売代理店として販売する場合の窓口業務や技術的資料の翻訳、契約交渉なども行っています。

———業務内容はかなり広範囲に及ぶのですね。今お伺いしたように、現在はアジアとヨーロッパの2つのエリアで事業を展開されているということですが、エリアによって戦略や営業方針は異なるのでしょうか?

野島基本的に行うことは同じです。ただ、やはりヨーロッパとアジア圏ではコンタクトレンズ市場の成熟度が異なりますから、その辺りは意識しています。たとえばアジア圏ですと、まだまだコンタクトレンズに馴染みのない人も多いので、まずはコンタクトレンズを利用するメリットを訴求することから始めています。反対にヨーロッパ圏では、遠近両用や乱視用などのテクニカルなレンズを求める傾向があります。

バレリーそう言えば、ヨーロッパでは遠視の人が多いですよね。そのため遠近両用レンズの需要が高いと感じています。また、アジア圏では近視の人がほとんどですが、最近ではサークルレンズがよく売れています。オシャレを楽しむ人が増えてきており、サークルレンズのファッション性がそういった人々にうまくマッチしたのだと思います。中国をはじめとした国々は勢いがありますから、コンタクトレンズ市場拡大のチャンスは大きい。今後は使い捨てレンズの導入にも力を入れていきたいですね。

野島そうですね。でも、アジアだろうとヨーロッパだろうと変わらない私たちのスタンスは「Made in Nippon」の品質を大切にしていくということ。やはりマーケティング力の面では大手外資系のメーカーとは競えないですし、仮に価格競争をしても将来につながるものとは限らない。それよりも、私たちには65年も前からレンズをつくってきたというノウハウと「Made in Nippon」クオリティがありますから、それを全面に推して戦っていきたいですね。

バレリー海外でビジネスを行うとやはり「Made in Nippon」への信頼は厚いと感じています。その点は、アジアもヨーロッパも同じ。日本の技術力の高さには定評があるので、無数にある外資系コンタクトレンズメーカーの中でも独自性を出していけていると思います。

———さまざまな国の人とビジネスを行うのは、やはり大変ですか?

バレリーアジア、ヨーロッパと2つのエリアで話を進めていますが、その中でも国によって国民性やビジネスに対するスタンスはまったく異なります。ビジネスに対してシビアな国、逆にちょっとルーズな国、色々なお国柄がありますから、そういった特徴を理解しながらビジネスを進めていくというのは、面白くもあり、難しくもあるところですね。

野島現地のニーズは外からでは分かりづらいものがありますので、実際にその国に行って、現地の人から意見を聞くことが大切です。ですので、必然的に出張は多くなってしまいます。また現地法人の代表者全員と一堂に会して生の声を聞く機会ももうけています。バレリーさんもかなりの頻度で海外に行っています。

バレリーはい、少なくとも月に1回は海外出張に行っていますね。あとは、そこに加えて国内外問わず1泊2日程度の弾丸出張もあります。一度遠方の出張に出ると1週間は日本には戻ってきません。特にヨーロッパは往復に時間がかかりますから、なるべくスケジュールを調整して、たくさんの人に会えるようにしています。

野島ヨーロッパ出張は結構ハードですよね。出張自体もそうですが、前後のスケジュール調整なども大変です。

バレリーそうですね。最初のうちはテンションも上がりましたけど(笑)。さすがに片道12時間はなかなか疲れますね。でも色んな国の人々と触れ合えるのはこの部署の特権ですね。

野島結局のところ、「海外展開」「グローバル」と言っても、突き詰めれば人と人との信頼関係を築くということなんですよね。何かあればお客様のところに飛んでいって顔を合わせて話をする。国内での営業と同じなんですが、それが私たちのお客様は海外、というだけです。その信頼関係を築くという点から言うと、バレリーさんはすごいですよ。特にメールのレスポンスが早い!

バレリーヨーロッパと日本は時差が大きいので、例えばヨーロッパの代理店からのメールを少し置いてから返信してしまうと、向こうはもう夜中、みたいなことになってしまうんです。日本ですと数分で終わるメールのやり取りが、タイミングが悪いと何日もかかることもあり得るんですね。もし私がお客様の立場なら、たとえどんなに製品が良くてもレスポンスが遅過ぎるパートナーには頼みたくない。シード製品を広めるチャンスをそんなことで失いたくないので、その辺りは気を使っています。

野島コンタクトレンズは目に入れるものなので、クオリティが高く、安全なものであることは大前提。その上で競合他社と競っていかなければならないのですが、先ほども言った通り価格競争だけでは未来はない。シードには「Made in Nippon」という強みがありますから、あとはそれを活かし切るための信頼関係を構築することが私たちの役目ですね。

———これまでは主に、対海外の話をお伺いしてきましたが、社内での他部署との連携などはいかがでしょうか。

野島社内ですと、営業企画部と連携を取り合うことが多いですね。海外事業部といえども営業活動に関わることは国内と共通する点が数多くあります。そういったところは営業企画部とすり合せながら進めています。

バレリーあとは薬事部ライセンス室も多いですよね。

野島そうですね。海外で医療機器を販売するためには、その国で定められた法律に則ったライセンス取得が必要なのですが、それがかなり複雑で。薬事部ライセンス室はそういった登録関係を担当する部署なのですが、今も実際に薬事部のスタッフに現地に飛んでもらって、登録関係を手伝ってもらっています。他には生産部や技術部との関わりも多いです。

バレリーパッケージや同封する添付文書の作成をお願いしていますよね。その辺りも国や地域によって言語やルールが異なりますから。実際に注文が入ってからは生産ラインの確保やコスト管理などもお願いしますし。こうやって考えると、多くの部署と関わりがありましたね(笑)。

野島海外事業部はなんでもやる部隊ですから、その分関わる人も多いですね。バレリーさんは外国の方ですが、日本の会社のやり方には違和感なく馴染めていますか?

バレリーシードは比較的、外資っぽい社風ですよね。何よりまず決定が早い。決定の早さは海外でのビジネスではとても重要なポイントです。浦壁社長が海外での生活経験があるというのが大きいのかもしれません。決定スピードが遅いと、それだけで不利な状況からスタートしなければなりませんし、その辺りは海外を相手にビジネスをする身としては大変助かっています。

野島私はシード入社前も海外で長く働いていたのですが、シードの決定の早さは国際レベルだと思っています。ただ、まだまだ社内には改善すべきところがたくさんあります。そういった点は私たち海外事業部が指標となって、「グローバルスタンダードとはこういうものだ」ということを伝えていけたらと思っています。

———ありがとうございます。では最後に、学生たちに対してメッセージをお願いできますでしょうか。

バレリーそうですね。海外を舞台に働くためには、積極性が重要だと思います。海外事業部は、「言われたからやる」ではなく、自ら率先してやりたいこと、やるべきことを見つけられる人が活躍できる場。色々とアイディアが浮かぶ、提案型の人がいいですね。

野島厳しいことを言うようですが「前任者がこうやっていたから、流れで私も」みたいな人は欲しくない。なぜそれが必要なのか、本当にそれでいいのか、その業務の意味を自分でしっかり考えられる人が理想です。あとはチャレンジの姿勢を常に忘れないことが大事。たとえば同じルーティーンワークでも、「前回10分かかったから今回は9分を目指そう。時間短縮のためにはどんなことをすればいいだろう」と考えられる人がいいですね。

バレリールーティーンワークという話が出ましたけど、海外事業部はまだ設立されたばかりですべてが手探り。ルーティーンでこなせる仕事も少ないので、前例がない仕事を自ら切り開いていくバイタリティも必要ですよね。

野島そうですね。ただ、最近は少しずつノウハウも蓄積されてきました。今後はこのノウハウをいかに部内で共有し、部全体のレベルを向上させるかも課題です。その点は我々も一緒に成長していかなければなりません。

バレリーだんだんと環境も整ってきましたので、ここに若いチカラが加わればさらに部の勢いも増しますね。私もまだまだ挑戦し続けたいと思います。

野島一緒に海外事業部を盛り上げてくれる志の高い学生に会えるのが楽しみです。

(この対談は2016年11月に実施したものです。)